MSX3メモ ~マラソン・トレラン・登山のあれこれ~

アルコールを中和するために走るおっさんが登山やマラソンのことをメモするブログ。マンガゲームウイスキーについても語る!

2016年5月24日 扇沢〜針ノ木岳 山スキー(マヤクボ沢ルート)

今シーズンの山スキー滑り納め

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5月24日(火)、日本三大雪渓のひとつ針ノ木雪渓を登り、マヤクボ沢から針ノ木岳登頂と山スキーをしてきました。これで今シーズンの山スキーは滑り納めとなります。

出発前日

この日は正直山に行くつもりは全くありませんでした。家の掃除して20km位走ろうかな~と思っていたのですが、天気予報で24日は晴れと知り、山に行くかどうか悩みました。前回白馬大雪渓に行ったときは、登頂できずにちょっと悔しかったこと、今シーズンは雪が少ないため、山スキーのシーズンは恐らく今月いっぱいで終わってしまうことなど考え、気持ちは行く方向に傾きます。

 

で、行くつもりで家族にも伝えましたが、前日夜はめんどくさくて準備せずに寝てしまいました。朝5時に起きて、しばらく布団の中で考えていましたが、行かなければ後悔する!と思い、急いで準備して出発しました。

行先は、山スキーのエリアとしては地元に近い扇沢ベースの針ノ木雪渓と決めていました。こちらのサイトを参考にさせて頂きました。すごく参考になります。ありがとうございます。

お気に入り山スキーエリア 【ルートマップ】

針ノ木雪渓は、実は2005年に一度スキーで訪れたことがあります。

http://www.anc-tv.ne.jp/~orisot/kiroku/050518harinoki/05harinoki.htm

もう10年も前になるんだなー。懐かしい。全然記憶が鮮明じゃないです。確かすごい急斜面を登った気がする…。

扇沢から針ノ木大雪渓を通り、針ノ木岳を目指す

今回のルートとコースタイムはこんな感じ。

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自宅を朝5時30分に出発して扇沢を目指します。扇沢立山黒部アルペンルートの長野県側玄関口名だけあり、道路も非常に整備されていてアクセスは快適です。安曇野市の自宅から約1時間で到着します。

無料駐車場に車を停め、各種装備を装着して登山スタートです。ちなみにここは標高1400m、気温高めです。スキー靴が歩きにくい・・・。

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扇沢駅を右手に見ながら、ゲートのすぐ横から登山道に入ります。

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登山道をそのまま進まず、左手にそれて大沢小屋からの作業道に入ります。この方がコースタイムが速いそうな。

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ほどなく、沢に出ます。沢の左岸を進んでいきますが、大沢手前で本当は渡渉して(雪渓を渡る)右岸に行く道があるのですが、何分初めて通る道なのでそこがわからず、そのまま左岸を直進して大沢に出てしまいました。 

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こちらが蓮華大沢。ここを滑るルートもあるようです。僕は結局進退窮まって来た道を引き返して右岸に渡渉、そこから崖っぽいところを苦労して登って藪こぎして何とか大沢小屋に辿り着きました。

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大沢小屋はまだ営業していません。

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小屋からは普通に夏道を進みます。こういった登山道では担いだスキーが木に引っ掛かって不快です。

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10分ほど歩いて、この場所から沢に下りました。ここが標高1800m位。まだ全然暑いです。

針ノ木雪渓に取り付くf:id:msx3:20160527104931j:plain

ようやく雪渓がつながります。10年前の4月末に来たときは、確か駐車場からすぐ雪渓に取り付けたような気がしますが、今年は雪が少ないせいかえらい上までスキー担いだままでいいかげん疲れます。

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雪渓も末端付近では写真のように所々崩落していて、そのすぐ下をものすごい水量の雪解け水がドウドウと音を立てて流れています。一瞬この雪渓踏み抜いたらどうなるんだろうと考えて怖くなります。ヒュンってなります。

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そんなこんなで雪渓も落ち着いてしばらくはシールで登ります。取り付き付近以外は雪渓も落ち着いていて、デブリや落石の影響は少ないように感じました。2000m付近では、雪崩はまず心配いらない、落石も雪渓の端を歩かなければ恐らく危険はなさそうです。f:id:msx3:20160527104934j:plain

振り返って爺ヶ岳方面。

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しばらく歩いて、のどと呼ばれる急斜面で雪渓の幅が狭くなったところを通過します。序盤の一番きついところ。とはいえこの位ならまだ僕でも何とかシールで登れます。

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のどを超えると、また少し平坦な雪渓が続きます。 

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10時30分頃、登りだして3時間ほどでマヤクボ沢との分岐地点に到着。

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マヤクボ沢直登ルートを進む

かなり歩いてきた気がしますが、まだまだここからが長かった。

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遥か上に、稜線が見えます。

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マヤクボ沢は残雪期だけの針ノ木岳直登ルートで、山スキーヤーには人気の斜面とのこと。確かに直登はキツいですが、スキーにはいい斜面ですね。若干縦溝が気になりますが。

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振り返ると、結構な斜度です。

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ここが一番きつい斜面だったと思いますが、もくもくと登ります。尚シールで急斜面を登るのが苦手な僕は、分岐地点で早々にシールを諦めて、スキーを担いでアイゼンツボ足で登りました。荷物は重いけど、後ろにずり落ちる苦労を考えるとこっちのが楽。

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気が付けば針ノ木峠が下に見えます。まだ小屋は雪の下のようです。ここから見ても峠直下の斜面は急ですね。10年前もあそこは急だった記憶があります。

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分岐からの急斜面を登り終えると、一旦平坦な地形に出ます。マヤクボカールの底部分です。ここでようやく針ノ木岳山頂が見えます。まだ随分と上にあるじゃねえかおい。

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正直道があまりわかっていないのですが、見た感じあの鞍部(マヤクボのコル)を目指して登り、その後は稜線を歩いて頂上へ向かうのが良さそうです。先行者の足跡もそちらに続いていたので、後を追います。

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カールらしく、最初は緩斜面、登るにつれて斜度が増していきます。尚この時はスキーもデポして身軽になっていますので、比較的快調に登って行きました。息は切れてましたけど頂上が見えてきて気持ちは良かった。

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コルへの最後の急斜面を登ります。これが天国への階段か。息はゼエゼエです。

マヤクボのコルから稜線を山頂へ

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斜面を登り終えると、稜線に出ました。ここでいきなり立山連邦剣岳が目に飛び込んできて感動します。最高のお出迎えです。

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眼下には、黒部湖も見えます。雄大な景色にしばし時を忘れて見入ってしまいました。

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右手のスバリ岳へ続く稜線もカッコいい。

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さて、時間も押しているので頂上を目指します。コルから左手に山頂へと続くガレた登山道を進みます。 

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スキーブーツでこのような道を進むのは本当にツライ。ブーツも傷だらけになりました。登山道はまだ落ち着いていなくて、あちこちに浮石があるので注意です。 

祝!無事針ノ木岳2824mに登頂

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午後1時、無事針ノ木岳登頂しました。

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山頂には一組いただけ、今回目にしたのはそのグループだけでした。静かな山です。これはセルフタイマーで撮影。

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今回山と高原地図アプリの他に、「ジオグラフィカ」というアプリを併用しました。ジオグラフィカは地理院地図なので大きくて見やすい。おすすめです。 

ジオグラフィカ | 登山・アウトドア・オフラインGPS

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山頂からは、360度の大展望が広がります。遠くは若干ガスっていましたが、久しぶりの絶景に感動。

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まず目につくのは槍穂高連峰。と高瀬ダム。

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後ろ立山連峰の縦走路。

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 鹿島槍ヶ岳

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北アルプスの奥の方だと思いますが、山座特定全くできず。

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登ってきた針ノ木大雪渓。とんでもなく下にあるなあ。このままここから滑り降りられたらいいのに。 

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やっぱり一番目を引くのは剣岳です。男らしい山容で、雪渓も目を引きますね。いつかはあそこを滑ってみたいです。

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多分北アルプスの奥の方かと。

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立山と黒部湖。

下山~スキー滑降

さて、山頂には20分ほどいましたが、例によって時間も押しているので速やかに下山します。

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コルまで下ってきました。スキー靴で下山はしんどい。

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マヤクボカールはシリセードで下りました。斜度がありますが、底部分が平坦になっているので恐怖感はあまりないです。スキーならもっと快適でしたが。この後、スキーを装着して滑降開始です。

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1本目が一番きつい斜面でした。(上の写真で狭くなっているところから上の斜面)何とか転ばないように注意してへっぴり腰で下りてきました。ここから大雪渓に合流するまでが一番快適な斜面でしたが、すぐに終わってしまいます。

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大雪渓に合流した後は、荒れた雪面を流して下ります。所々落石がありますのでなるべく踏まないように滑ります。気温が高く、雪は柔らかいザラメ。滑りにくくはありませんが、腿に来ます。

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あっという間に下まで滑ってきてしまいました。スキーはここまで。この後スキーを担いで、長い下りを歩いて帰りました。

最初に雪渓取り付きで沢の水量にビビったせいか、取りつき点よりかなり上でスキーを脱いで夏道に入ってしまい、またその道が荒れていて非常に苦労しました。雪渓への取りつき点は良く覚えておきましょう。

まとめ

直前まで行くか悩んだ山行でしたが、結果的に登頂も果たせたし、シールの訓練にもなったし、何より針ノ木雪渓周辺の状況をこの目で見られたことは非常にいい経験でした。扇沢ベースの山スキーはアクセスが非常に楽で、来シーズン以降もぜひ入りたいエリアなので、一度見ておきたかったんですよね。

10年前に比べてかなり雪が少なくて、スキーが快適という感じではなかったですが、今シーズン3回目の山スキーはいい経験になりました。雪渓自体は前回行った白馬大雪渓の方が幅も距離も長くてスケールが大きい感じですが、針ノ木雪渓はコンパクトな中にいろんな斜面が混在している感じ。もう少し早い時期に、もっと標高が低いところから雪渓が始まっている頃に来るのがベストだと思いますが、今回もいい訓練になりました。

余談ですが、今回も張り切って一眼レフ持っていったんですが、どういうわけか全体的にモヤっとした写真になっていて、iPhoneで撮影した写真の方が出来が良かった。なんでだろう。重いカメラ持っていく意味ないじゃん…。