
南アルプスの百名山「塩見岳」に登りました。久しぶりのテント泊。
登る前はあれこれ考えすぎて不安が一杯でしたが、杞憂でした。久しぶりの山での一夜を過ごし、とても楽しい登山となりました。
山に行く前は不安になる
シーズン序盤は、登山前にあれこれ考えすぎてしまい不安に押しつぶされそうになります。特に初めて登る山、コースタイムが長い行程の時。前日の夜まで「やっぱ行くのやめよう」とか「もっと簡単そうな山にしよう」とか考えちゃいます。
登る前に心配だったこと
登山口が遠い
塩見岳は長野県側の大鹿村にある鳥倉登山口からピストンするのが一般的。この鳥倉登山口は結構山深い所にあり、グーグルマップによると安曇野市の自宅からでも3時間かかると出ます。「同じ長野県内、中信から南信に高速使って移動して3時間って、どんだけ山の中なんだよ」と不安になりました。7時に登り始めるとすると4時に出発しなければならず、ということは3時半起床しなければならないのは嫌でしたね。
コースタイムが長い

ヤマレコのらくルートによると、7時に登山口出発して塩見岳ピストンして宿泊地の三伏峠小屋に戻ると、コースタイムの80%で歩いても17時着でした。休憩は小屋と山頂で40分だけ。10時間歩くのも嫌だし、17時テン場戻りは遅いな~。70%の速度かつ自宅を出る時間早くするしかないか・・・。とても不安でした。
他にも、塩見岳ってマイナーな山のイメージあるし登山道荒廃してないかとか、山に人がいなくて遭難したとき困るんじゃないかとか色々不安でしたが、結論としては心配無用、でした。ちゃんと16時にテントに戻って来れましたし、人もいっぱいいました。
1日目(7月8日) 山頂往復、三伏峠小屋テント泊
ここからは登山の様子を写真と共に振り返ります。

4時半自宅出発、6時50分頃に鳥倉林道・越路ゲート駐車場に到着しました。2時間半くらいと、予想していたより早かった。林道自体もごく普通の林道で、極端に走りにくいことなかったです。途中に綺麗なトイレがあって快適でした。そして既にたくさん駐車していてさすが100名山。駐車場は30台ほど停められますが、土日は夜のうちに一杯になるそうです。(第2・第3Pが結構降った所にあります)

7時出発、30分ほど舗装路歩いて登山口がこちら。ここにもトイレがありました。

さあ、登ります。ここからベースキャンプまで3時間の所、2時間半で登ります。

登山道はキレイに整備されていました。すごく急、とか危険な所も無く歩きやすい登山道。そして現在の位置を把握するための看板があるタイプの登山道。

ずっと樹林の中を登っていきます。湿気が多く汗が滝のように流れました。

9時20分頃三伏峠小屋に到着。登山口から2時間ほどで登ってきました。久しぶりのテント泊装備は重かったけど、なかなかいいペースで登れました。

日本で一番高い峠だそうな。

小屋で受付してテント場へ。1泊1名2000円、10時前でアーリーチェックイン200円でした。テント場は5~6張りあり。

急いでテントを張って、不要な荷物はデポして再スタートします。受付~設営で30分少々かかりました。

今回サブザックも持ってきました。ここからは軽装で身軽になるのでスピードアップします。テント装備から解放されて体が羽のように軽いぜ。

小屋からすぐの小ピーク三伏山。晴れていればここから塩見岳がよく見えるのですが。

晴れてはいますが、周りの山々はガスで見えず。そして稜線漫歩かな、と思わせますが

すぐに樹林に入ります。この後は樹林の中をひたすら塩見岳に向かって歩きます。道はフラットに近いですが、登ったり下ったりを繰り返して進みます。

三伏峠小屋から塩見岳の肩までかなりの距離がありましたが、標高は100m上がるだけです。

そして、樹林を抜け出すと目の前に塩見岳。一気に高山の趣となります。

塩見岳直下に塩見小屋があります。小屋泊の登山者はほとんどここに宿泊すると思われます。ここで水を補給しようと思いましたが、2L1000円にビビってやめました。蛇口から出る1L200円くらいなら買ったんですが。ちなみにトイレは携帯トイレを使用するタイプとなります。テント場は無し。

塩見小屋を過ぎると、いよいよ塩見岳への山頂アタックとなります。これまでの樹林の道から、岩稜帯の登山道へと変わります。鎖も少しあるけど、それほど危険ではない。

塩見小屋から山頂まで300mの標高差を一気に登るのでそれなりにシンドイですが、アスレチッキーな登山道はきつさを感じないで登れますね。体力にはまだ余裕あり。

天狗岩らへん、地層っぽいものが見られます。赤色チャートとか、緑色岩とか。この辺昔海だったらしいですよ。

頂上直下はそれなりに急斜面でした。落石注意。

そんで、ここまで来るとビクトリーロード。他の登山者の話ではこの辺に雷鳥がいたらしいが遭遇できませんでした。そしていよいよ頂上にご対面。

12時32分、塩見岳西峰に登頂しました。登山口から5時間半かかりました。

西峰には三角点があります。標高は3047mとなります。

すぐ先に東峰があります。塩見岳は小さめの猫耳を持つ双耳峰です。

東峰3052mは西峰より5m高い。仙塩尾根の稜線がキレイでした。長そうだけど、この綺麗な稜線は何日かかけていつか歩いてみたいですね。

当方でお昼休憩しました。遠くは曇っていて富士山とか見えなかったんですが、風も穏やかで他の登山者もいないし、すごく居心地がいい山頂でした。

山頂でしばらく粘ったが雲が取れそうな気配が無いので、下山することにします。一瞬だけ北岳らしき山が見えた。

途中、赤い岩と緑の岩がミックスされた地帯がありました。

帰りは登り返しにウンザリしながら歩きました。3時45分頃テン場到着。山頂から2時間半くらいかかった。集中力も切れて、テン場に着くころはもうヘトヘトでした。それでも予定の4時前には帰ってくることができて一安心でした。

テントの中でベトベトの体を拭き、びしょびしょTシャツを脱いで乾いた上着を着て、お待ちかねの宴会タイムに突入。去年はテントやらなかったから2年ぶり。このために山に登ってるからね。1杯目のビールの旨いこと!
最近のマイブームである山で食べるのり弁ですが、冷凍して持ってきたせいか今回はイマイチ旨くなかった…。米がアルファ化してる…。でも最高でした。山で飲む酒は最高ですね。今回も満足しました。

食べたらやることも無いんで酒飲みながらダラダラ過ごします。短パンだとやや寒いのと、湿気っぽくて快適では無かったので、次回からタイツ的なものを装備することにしよう。
この三伏峠小屋は山小屋WIFIとかいうのがあって、auユーザーなら無料で繋がるらしい。僕はdocomoですが、最初の10分くらい繋がるんですよね。これで家族にLINEしたりニュース見たり非常に助かりました。通常のモバイル通信は場所によってギリ繋がったり繋がらなかったり、という感じでした。
そんなこんなで7時過ぎには眠りにつきました。夜中に何回も起きた。
2日目(7月9日 下山のみ)

4時頃起床。すでに外は明るい。今日は下山するだけなんでもっと遅く起きてもいいんですが、日の出を見ようかな、と思ってしまい、少し登って稜線まで出ました。
天気は快晴で、最高の日の出前の景色。昨日は見えなかった塩見岳こんなにデカかったんか!そして白根三山から仙丈ケ岳まできれいに見えました。

中央アルプスらしき山塊。

塩見の兜の横から日の出です。荘厳この上ない。素晴らしい景色。

しばらく見とれていました。南アルプス南部の山々もよく見えました。左から悪沢岳、赤石岳、聖岳、光岳かと思います。ああ、こんなん見ちゃうと南アルプス南部行きたくなる!

さて、テントに戻ってきて朝飯食って下山します。賞味期限切れのラーメン。

さようなら塩見岳。楽しかった。

登りで全く気付かなかった唯一の水場、ほとけの清水。細い。

1時間半ほどで登山口へ下山。

無事駐車場に戻ってきました。バスの運行は7月19日からです。これに乗れればかなり楽ですね。

自宅までの帰りは時間もあったので下道で帰りました。途中にゼロ磁場で有名な分杭峠を通過しました。
注意事項
塩見岳登山で気になったこと。
水場無し
三伏峠までの間にあるほとけの清水以降、水場がありません。山小屋で1L200円とかで分けてもらえると思っていましたが、ペットボトル販売のみでした。2Lで800円と高額です。小屋から15分ほどのところに水場があるのですが、ヘトヘトで帰ってきて行くことができず、結局ペットボトル800円で買いました。塩見小屋では1000円です。水は多めに持っていくか、ほとけの清水で十分に補給しましょう。
テント場の電波弱い、Wi-Fiありびっくり
三伏峠小屋テン場、ドコモの電波は微弱でした。Wi-Fi使えて助かった。
下山後の温泉無し
塩見岳の山名の由来が麓の大鹿村の塩分のある泉なので、海水並みの塩分という大鹿村の温泉入りたかったんですが、現在立ち寄り温泉はやっていないそうです。残念。クサクサで帰りました。
登山バスの運行7月19日から
バスは運行前だった。
テント泊用ザックの引退式

グレゴリーのミウォックを長らく使ってきましたが、今回で引退とします。本当は昨年で引退予定だったんですが、新しいザック買ってないので今回も使いました。2015年に買って、もう10年使いました。色々な山に一緒に行った思い出深いザック。軽くてすごく使いやすいザックでした。ありがとう!
ガーミンでペース管理

ガーミンのクライムプロで、1時間あたりの昇降速度を見ながら登りました。600mくらいだといい感じ。

同様に心拍数もチェックしながら。140台で適正、150超えると苦しい。山は心肺機能で登る!今回もいいトレーニングになりました。
まとめ
塩見岳、すごく楽しい登山でした。ちょっとマイナーなイメージのある山ですが、登ってみるとメジャーな山の風格でした。
塩見岳は南アルプスでも他の山とちょっと離れていて、縦走しづらい山です。今回登れてよかった。そして、南アルプス南部の未踏の山々を見て、すごく登りたくなりました。赤石、聖、荒川方面も近いうち行きたいですね。